2014年2月9日日曜日

●『話すチカラをつくる本』(山田ズーニー 三笠書房 2010) 

4月から社会人になる息子が「この本はわかりやすい」といたく感激していたので、試しに読むことにした。
著者は、「ほぼ日刊イトイ新聞」の「大人の小論文集。」を連載していることで知られている。
とにかく文章に無駄がなく、読みやすい。
さすが長年、ベネッセの編集者として鍛えられてきた人物だ。読ませることに長けている。

想いを伝えるために必要な要件は7つ。
1.自分のメディア力(相手から見た自分の信頼性はどうか?)
2.意見(自分がいちばん言いたいことは何か?)
3.論拠(意見の根拠は何か?)
4.目指す結果(だれがどうなることを目指すのか?)
5.論点(いま、どんな問いに基づいて話しているのか?)
6.相手にとっての意味(突き放した時、相手から見てこの話は何か?)
7.根本思想(自分の根っこにある想いは何か?)
(p.40より括弧部分説明加筆)


私が最も共感できるのが7つ目の「根本思想」だ。そこには次のようなことが記されていた。
言葉は氷山の一角のようなもので、根っこの部分には大きな価値観、思想が横たわっている。
「根本思想」とは言葉の製造元のようなもので、言葉の端々から常に自分の根本的な想いが表出している。
それはどんなに隠そうとしても隠しきれないもので、時々自分の想いをチェックして根っこの部分にどういう想いが含まれているのか、第三者的に見つめ直すことが重要である、ということ。

話すチカラにはノウハウが必要だ。
しかし、人間関係をスムーズに築き上げる心配りや気遣いを尊重した上で、言いたいことを言えるようになること。それによって開ける未来の重要性を本書は示唆している。
就活生や新入社員に是非とも薦めたい一冊だ。

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