2014年1月23日木曜日

●『JALはなぜ生まれ変わることができたのか 稲盛氏自身が解き明かす謎 』[WEB新書](週刊ダイヤモンド編 朝日新聞出版社 2013)

週刊ダイヤモンドの2013年6月22日号特集記事をWEB新書として購読できるサービスを利用。ビューアーでPDFで読めるほか、プリントアウトもできる。抜粋して資料として欲しい時には良いサービスだ。

JALが会社更生法を申請したのが2010年1月。エリートが多く官僚的で誰が乗り込んでも再生は難しいと言われていた体質の企業だ。しかし再建は予想を上回るペースで進み、今年4月には3年ぶりに新卒採用を行うという。

再生のエンジンとなったのは、「意識改革」と「部門別採算性」を敷いた「稲盛経営」である。
山ほどの課題を抱え倒産したJALに、航空運輸業の経験がまったくない京セラ名誉会長の稲盛氏自身のインタビューをはじめ、京セラ、KDDIの経営実践例を交えて、JAL再建の核心に迫っている。

稲森氏が「再建の任」を承諾した理由は、もしJALが二次破綻した場合、日本経済に与える影響の大きさ、残った社員の雇用を守ること、社会インフラとしての利便性を守る、ということだったという。

崇高な使命感のもとで報酬ゼロで再建に臨んだ稲森氏は、経営哲学「フィロソフィ」と、経営管理システム「アメーバ経営」だけを携えて乗り込んでいった。
まるで企業小説を読んでいるような再建のヒストリーに、稲盛氏の経営者としての熱い「心」を感じ、その姿勢に襟を正して言葉を受け止める一冊だ。

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